1. プロジェクト背景

日本精工株式会社(略称:NSK)は1916年に設立され、日本で初めてベアリングの設計・製造を手がけた企業です。数十年にわたり、NSKは数多くの新型ベアリングを開発し、産業発展と技術進歩に大きく貢献してきました。

NSKグループは事業拡大の需要に応えるため、ドイツのBruel & Kjaer Vibro(略称:BKV)社を買収し、BKVの振動検知デバイスを基盤に、中国国内市場向けの重要設備オンライン監視システムを構築しました。

2. プロジェクトの目標

NSKグループは、新設の研究開発基地に、データ収集・リアルタイム転送・解析を一体化した設備オンライン監視システムを構築することを目指しています。

本システムは、高精度センサーネットワークを基盤とし、研究開発基地内の開発室や試験場など重要施設に設置された大型精密設備を広範囲にカバーし、設備の稼動過程中の振動加速度、速度、変位等多角的なデータをリアルタイムで収集します。

3D可視化モデリングと動的チャート表示技術を活用し、複雑な振動データを直感的で分かりやすい可視化インターフェースに変換することで、保守担当者が設備の稼動状態を正確に把握できるようにします。

データ分析機能を利用した設備の予知保全を実現し、設備の寿命延長、研究開発基地全体の稼動効率と安全性の向上を図ります。

3. システム機能

3.1 システム概要

3D表現方式により研究開発棟内の各設備の稼動状況を表示し、データに基づいてシステム全体の稼動状態を分かりやすく提示します。同時に、フロアごとの分解表示により、各階の設備稼動データを個別に表示します。

3.2 設備監視

詳細パラメータは、多角的なデータ表示により設備のすべてのリアルタイムデータを提示し、保守担当者が単一設備の全体の稼動状況を直感的に確認できるようにします。

3.3 トレンド分析

ツリーメニュー分類機能により各設備を細かく区分し、時間フィルターを使い、対応する設備の稼動データの変動状況をすばやく検索できます。

独特の時間領域波形表示により、極小範囲の波形も十分に表示でき、データの微小な変化を正確に把握することが可能です。

4. 成果物分析

日本精工研究開発センターの重要設備オンライン状態監視システムは、RealinfoSCADAプラットフォームを中核として、グループが目標とする設備稼動データの可視化監視を実現しただけでなく、データ分析を通じて故障情報の予兆診断を可能にし、簡易なトラブルシューティングと対応手段を提供します。これにより、設備保守担当者の作業効率が大幅に向上し、グループ全体の設備推進における強固な基盤を構築しました。